カーラ・ブレイ/モア・ブラームス
2007.09.29
カーラ・ブレイと言えば、作曲家として多くのミュージシャンに楽曲提供しているばかりでなく、自身の実験的な音楽や個性的なビッグバンド作品で主に知られています。そんな彼女も、70〜80年代にはフュージョン的なアプローチの作品を幾つか残しています。カーラの音楽にはシリアスな一面が感じられる一方でユーモラスな雰囲気、ポップでメロディアスな要素も垣間みられる訳で、そんな側面がクッキリ浮き出るこのメロウ路線、大好きです。(この時期の彼女は、盟友スティーブ・スワロウ名義のアルバムでもほぼ同様のサウンドを展開しています。両者はサウンドの傾向も曲作りの質も似ていて、カーラとスワロウがほとんど一心同体であるかのようにも見えます。)![]() | Sextet Carla Bley 曲名リスト 1. More Brahms 2. Houses and People 3. Girl Who Cried Champagne 4. Brooklyn Bridge 5. Lawns 6. Healing Power Amazonで詳しく見る |
1987年作のこのアルバム、第一にメンツがいいです。ハイラム・ブロック(g)、ラリー・ウィリス(p)、ドン・アライアス(perc)、ヴィクター・ルイス(ds)、そして公私のパートナー、スティーブ・スワロウのエレクトリック・ベースに、カーラのオルガン。ガチガチのスタジオ系プレイヤーばかりで固めずに、ややジャズ寄りな人選が交えられている様ですが、そのせいで定型的フュージョンのサウンドに偏らない独特の音になっていると思います。また、カーラのオルガンはいいですねえ。ソロをバリバリ演奏するようなスタイルではないですが、やはり作曲者だけあって、音楽のツボをピタリと押さえたプレイが気持ち良し。
第二に、どれも曲が良い。今更かもしれませんが、改めて彼女の作曲家としてのセンスと才能に驚かされます。アルバムのオリジナルタイトルは「Sextet」(六重奏団)とシンプルですが、国内盤タイトルは一曲目から取った「モア・ブラームス」という美しいモノでした。このタイトル曲を筆頭に、名曲佳曲が目白押しです。
全体的にはミディアムやスローテンポの地味なナンバーが多く、全編を覆うのはある種のリラックス・ムード。その中にも非常に中味の濃い音楽が展開されており、凡百の生半可フュージョンとは一線を画す完成度の高いアルバムだと思うのですが、フュージョン史上ではもちろんのこと、カーラの作品中でもあまり顧みられることがないのが不思議な一枚です。艶やかなカーラの横顔を捉えたジャケットもビューティフル。
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